なつぞらにはほど遠いのその理由

坂場(中川大志)の空襲での体験|Real Sound|リアルサウンド 映画部

何でワタシが坂場に苛つくか何となく理由が解った。彼は組織に入りながらまず否定から入る人間だからだ。古いと否定し、手法を疑問視する。体験はあるのだろうが表現する術を十分に持てないまままず他人を否定し疑問視するところから彼は始まる。同作品に出ている夕見子の『常識を疑え』や、その駆け落ち相手の高山もこの記事の通りまず否定から入る。尤も駆け落ちの二人は現実逃避とのセットなので説得力には欠けてしまうのが正直な話。親から古い概念に縛られた雪次郎が認めて貰ったのは自分にとって耐えた1年半でもそれなりに努力して結果を出したから。

坂場の場合は現場には受け入れられているようなので駆け落ち組とはまた違うであろうが彼もまた決定的な説得力には欠ける。彼もまた何も生み出しては居ない存在だと判っているのかな。空襲経験も戦後の悲惨さも体験しているようだがそれはなつも同様であるし、彼女は戦災孤児でもある。だからといってそれを表現したいからこの業界に入った訳じゃない。無論だがこの世代、この年頃全員が似たり寄ったりの経験をしているはず。だからなんだというのはなつの尤もな意見であって、坂場だけが特別酷い体験をしているという自意識がカチンとくる。

この回でプロポーズしたことで恐らくなつは坂場と結ばれるのであろうが、それはちょっとアドバイザーの小田部氏がちょっと高畑勲氏をヨイショしすぎじゃないかと思えてしょうがない。実際のなつのモデルは高畑、宮崎、そして旦那になった小田部とは影響し合っても傾倒したとまでは行かない。労働闘争の末に即去った3人とは別になつのモデル奥山女史は最後まで東洋動画の面倒を見た後にフリーになっているし、史実でもテレビ作品にサポート程度でしか関わっていない。彼女には彼女なりの夢も理想もあった。高畑勲氏や宮崎駿氏のそれとは方向が違うのは明白なのにドラマでは無理矢理同じ方向に持っていこうとする気がマンマンなのだ。だからイラッとくる。

この先の展開、史実通りなら小田部氏との出会い、結婚、出産と東洋動画の女性差別による労働闘争が山で、その後の独立と新しいアニメという流れになると思ったけど、どうもそういう展開にはならなそう。こんな持ち上げ方するようじゃ終始板場ヨイショで終わりそうだなぁ。それはつまらないなぁ。

Share this...

「なつぞらにはほど遠いのその理由」への2件のフィードバック

  1. 今日の日本のアニメの礎を築いた方々も高齢となり或いは鬼籍に入り、また次の世代の台頭も見られますが、労働条件の悪さは変わっていないようで。

カズヱ へ返信する コメントをキャンセル

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA